茶葉や茶器、茶道具などを幅広く取り扱っているお茶屋さん。
落ち着いた空間で、緑茶を出してくださったふじさわ園茶舗さんをご紹介します。
筆者:こちらは、創業してどのくらいになりますか?
店主:ちょうど今年で100年です。1925年創業で、今年2025年ですから。
筆者:そうでしたか!ちょうど節目の年だったのですね。
今こちらでお取り扱いしている商品としてはどんなものがありますか?
店主:まずは日本茶ですよね。それから、急須などの陶器、そして焼き海苔。
様々な種類の緑茶や紅茶、ほうじ茶や焼き海苔がずらりと並びます。
筆者:たくさんの種類の茶葉がありますが、特に人気のものはどちらですか?
店主:最近では、有機肥料・無農薬栽培のお茶が認知されてきて、紅茶とか、あとは番茶とか、飲むとリピーターになる方が多いです。
うちはほとんどの生産地に行きました。やっぱり、生産者と相対するということが大事で、それから「じゃあ売らせてもらおうかな」ということになります。
今扱っているものは全部信頼できる茶畑のものですね。
筆者:実際に生産者の方とお会いしているからこそ、自信を持って提供できるのですね。
お店としても、有機肥料・無農薬栽培のものがおすすめですか?
店主:やっぱりそうですね。
あとは、従来のお茶ですと例えば、100g1000円で販売している煎茶。5つの産地をブレンドしているんですよ。味が複雑になるということもありますし。あとは毎回少しずつ作って新しいものを出すっていうのが一番大事なんですよね。
こちらの商品はよく出るので、4種類置いています。熊本、佐賀、静岡など、産地が全て違います。
あとは、茎根ブレンド。150g入ってるので、100gにしたら600円くらいのお茶になってるんですよ。だけど600円のお茶でも手間をかけて作れば、これはこれでうまいんですよ。
産地の異なる煎茶やお手軽に楽しめる茎根ブレンド、お店イチオシである有機肥料・無農薬栽培の番茶「青柳」「初柳」。
筆者:なるほど。
これらの茶葉をどういった目的で購入される方が多いのでしょうか。
店主:ご家庭用が主ですけど、法事・仏事関係は今でも年間を通して使っていただいています。
筆者:自宅で手軽に飲めるものから行事やギフトとして選ばれるものもあるのですね。
店主:そうですね。普段は1000円くらいが売りの中心なので、ギフトとしては1200円から上のお茶が多いです。
昔は圧倒的に缶入りのものが多かったですけど、今は袋のものを箱に入れて、というのが多いです。今は袋も物が良くなってますからね。
ギフトにぴったりな、缶入りのお茶もお取り扱いしています。緑茶色やカラフルなデザインのものも!
筆者:そうなのですね。手軽さも人気がありつつ、素敵なデザインの缶に入ったものも風合いが出て魅力的ですね。
焼き海苔も販売されているとのことですが、どんなこだわりがありますか?
店主:12月には新海苔(収穫の初期に獲れる香り高く柔らかいもの)を売り出します。それは本当に貴重な海苔です。
うちはだいたい千葉の草なんですよ。スーパーなどの大手さんはほとんどが九州の海苔。千葉と九州とでは生産量が100倍くらい違います。なので、千葉の海苔はとても貴重になりました。
筆者:なかなか手に入らない、貴重な海苔が販売されているのですね。
あちら(お店に入って左側のスペース)にも、様々な色・形の茶器が並んでいますね。
店主:あちらは、茶道具専門の「茶道具 ふじさわ」というかたちでやらせていただいています。この中で2店舗合わせたような状態です。
茶の湯に関するものは全て取り扱っていますね。
筆者:なるほど。茶道具のお店と、茶葉や海苔などを取り扱っているお店を合わせて営業しているのですね。
店主:そうですね。茶道具の場合はお抹茶ですよね。元々はお茶屋と道具店と、隣接したかたちでやってたんです。6年前に建て直しして一緒にしました。
店内に入って左側にある、茶道具を揃えた趣ある空間。どれも素敵なデザインで思わず手に取りたくなります。
急須は、少しずつ色味や形が異なっています。かわいらしい茶筒は、いくつか並べてそれぞれ違う茶葉を入れたりしたいですね!
筆者:普段お店としてやっているサービスなどはありますか?
店主:この通り(フラワーロード商店街)は、二の日(2日、12日、22日)がご縁日なんですよ。昔から二の日に特売日をやるっていうお店が多かったんです。うちはその流れで今でも二の日に一割引きの特売をやっています。
筆者:長年変わらず続けているサービスがあるのですね。
最後に、このお店で力を入れて取り組んでいることはありますか?
店主:やはり、有機肥料・無農薬栽培のお茶を普及させたいということですね。特に若い方に飲んでいただきたいですね。
筆者:いちおしの有機肥料・無農薬栽培の茶葉をおすすめして提供されているのですね。
店主:そうですね。無農薬茶を扱うっていうことは、こちら側もそれなりの覚悟がいりますし、作っている方はもっと覚悟している方が多いです。それは会うと分かるわけですよ。こっちも疎かな気持ちで売れないな、ということになります。それをやれる間はやりたい、と思います。
落ち着いた話し方の中にもお茶に対するこだわりや思いがたくさん詰まっていた店主。
日常にほっと一息つきたい時や、大切な行事やギフトにもふじさわ園茶舗さんがおすすめです。
向かって左側が茶道具専門店、右側が茶葉や茶器を取り扱っています。店内へは同じ入口よりお入りいただけます。
店名 | ふじさわ園茶舗 |
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住所 | 東京都江戸川区南小岩6-28-11 |
電話 | 03-3657-1851 |
営業時間 | 9:30~18:00 (日曜日・祝日は17:00まで) |
定休日 | 水曜日 |